§8 逆関数

1_基本的概念

$y=f(x)$は[a,b]において狭義の単調関数とする。$\alpha=f(a), \beta=f(b)$とすると中間値の定理より、yは$\alpha \leqq y \leqq \beta(または\beta \leqq y \leqq \alpha)$なる任意の値を得る。すなわち関数の値域は[$\alpha, \beta$](または[$\beta,\alpha$])となる。

$x1,x2 \in [a,b] \; x1 \neq x2(x1 < x2またはx1 > x2)$とすると狭義の単調関数であるので$f(x1) \neq f(x2)(f(x1) < f(x2)またはf(x1) > f(x2))$となり、$xとy$は1対1対応となることがわかる。$xはy$を与えると決まるので$x=\psi(y)$と表して、$\psiをy$の逆関数と呼ぶ。

[定理] $f(x)$がある区間において連続かつ狭義の単調増加(または減少)ならば、その逆関数もまた連続かつ狭義の単調増加(または減少)関数である。

[証明] $x1<x2$とすると、単調増加なので、$y1=f(x1) , y2 = f(x2), y1 < y2$。逆関数を$\psi$とすると、$x=\psi(y)$。このとき、$y1<y2$に対して、$x1=\psi(y1), x2=\psi(y2), x1<x2$であるので$\psi$は単調増加関数。

$\psi$が連続であることを証明するには、$y=\gamma$において、$$\forall \epsilon>0, \exists\delta>0, |y-\gamma|<\delta \Rightarrow |\psi(y)-\psi(\gamma)|<\epsilon$$を示せば良い。$c=\psi(\gamma)$、$\gamma1=f(c-\epsilon), \gamma2=f(c+\epsilon), とおけば \gamma1 < \gamma < \gamma2$だから
$\delta$ < min{$|\gamma1-\gamma|,|\gamma-\gamma2|$}にとれば$\gamma$の$\delta$近傍が区間($\gamma1,\gamma2$)に含まれる。

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